越山弁護士
今日の東京新聞夕刊に,日本で初めて国会議員の定数訴訟を起こし,先日亡くなった越山弁護士についての記事が載っていた。
こういう弁護士になりたい,と思った。
でも,狙ってなれるわけでもない。
「本気」でやる覚悟がなければ,ただの売名行為にすぎなくなる。
決して長くないだろう弁護士生活の間に,死ぬ気で取り組めるテーマにぶつかっていきたい。
今日の東京新聞夕刊に,日本で初めて国会議員の定数訴訟を起こし,先日亡くなった越山弁護士についての記事が載っていた。
こういう弁護士になりたい,と思った。
でも,狙ってなれるわけでもない。
「本気」でやる覚悟がなければ,ただの売名行為にすぎなくなる。
決して長くないだろう弁護士生活の間に,死ぬ気で取り組めるテーマにぶつかっていきたい。
民主党政権を選択してしまった以上,国民がこれからやるべきことは,彼らが本当に約束を守るかどうかを監視し,チェックすることだ。
民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?
【緊急出版! 政権選択のための日本人の必携ツール!】
いよいよ民主党による「政権交代」が現実的になってきた次期総選挙。では、実際にそれが起きたとき、私たちの生活はどう変わるのでしょうか?
50年以上にわたって本格的な政権交代を経験していない日本。それゆえ私たちにとって、政権交代後の姿をイメージすることはとても難しいといえるでしょう。
本書は、いま一番知っておくべきなのに、誰もが意外と知らない民主党の理念と政策を徹底解説した唯一の本です。
●そもそも民主党は、どんな政策を用意しているのか?
●それらを本当に実現できるのか?
●果たして財源は大丈夫なのか?
●そして、民主党が目指す「国のカタチ」とはどのようなものか?
以上の誰もが抱く疑問について、民主党の政策資料、過去のマニフェスト、提出法案、主要議員の発言などを分析し、市民目線で政権の姿を展望していきます。
取り上げた政策は、全20ジャンル・99項目。きわめてわかりやすい解説により、あなたが政権交代を望むのか否かを判断する必携ツールになること間違いなし!
しかも、「実現度」「改革度」「具体度」の政策評価リストも付いています。
【民主党がやろうとしていること】
●子ども手当て月額2万6000円を支給
●年金を一元化し、最低保障年金を創設
●後期高齢者医療制度は廃止
●国民総背番号制の導入
●日雇い派遣・製造業派遣は禁止に
●三年以内に高速道路は無料化
●企業の政治献金は全面禁止
●国会議員の世襲禁止
●インターネット選挙は全面解禁
●官僚の天下りを根絶
●国連決議で集団的自衛権の行使を可能に
●日本を300の自治体に分けて地方分権を徹底
●消費税は引き上げず、5%全額を年金財源に
●大企業の法人税率は維持、中小企業の税率は半減
....etc.
さらに本書は、もし本当に政権交代が実現したときには、民主党が約束を守っているか否かを監視するための確認ツールにもなるはずです。
今NHKで裁判員制度の特集番組をやっているが、タイトルが、「あなたは死刑を言い渡せますか」というもの。
番組用の模擬裁判の模様も流されていて、結局死刑判決が下された。
何か巧妙な誘導を感じてしまうのは僕だけだろうか。
そもそも、死刑制度自体が世界的潮流に逆行するものであるとの認識が今の日本社会では存在しない。
裁判員たる一般市民に対して「死刑を言い渡せますか」などという問題をいきなり突きつける前に、死刑制度の是非について徹底的に論じるべきではないか。
ちなみに、今の裁判員制度では、死刑廃止論者は裁判員になることができない。
裁判員制度に向けて、弁護人の横に被告人を座らせることを認める方針を法務省が示したようだ。
被告人が腰縄で裁判官の前にうなだれて座っている風景はいかにも江戸奉行が罪人を裁くお白州を連想させるということで、従来から批判のあった方式だけに、一歩前進とはいえるかもしれない。
裁判員制度以外の刑事裁判でも一般的なスタイルになればよいと思う。
試験の選択科目では倒産法を選んだので、今の時間を利用して、他の法律もざっと知っておこうと思っている。
手始めに、労働法をやろうと思い、『プレップ労働法』を買ったのだが、解雇権濫用法理を定めた労基法18条の2を六法でめくってみたら出ていない。
調べてみると、昨年成立して3月から施行されている「労働契約法」という新法の中に移行している。
この新設された労働契約法は、労働契約についての民事法上の判例法理を明文でまとめたもの、といえば聞こえはいいが、要するに不当解雇や就業規則の不利益変更などについての是正権限を労働基準監督署から取り上げるための法律らしい。
昨年出た解説書がもう古くなっているというのも信じられない状況だが、勉強にはなった。
現在の労働問題はホームレス、貧困、ニート、引きこもり、あらゆる問題とつながっている。従来の枠組みでは捉えきれないものがある。
とりあえずの参考書として、『生きさせろ! 難民化する若者たち』雨宮 処凛 (著) も買ってきた。
こんな感じで、このブログもぼちぼち再開していきたいと思います。
面白そうなサイトができたようなので、紹介しま~す。
(以下、阿修羅掲示板の記事より転載)
若手弁護士がつくる市民メディア「People's Press」がスタート(レイバーネット)
投稿者 gataro 日時 2007 年 11 月 28 日 16:50:34: KbIx4LOvH6Ccw
http://www.labornetjp.org/news/2007/1196214383837staff01 から転載。
若手弁護士がつくる市民メディア「People's Press」がスタート
*amlメーリングリストより
田場です。
昨日(27日)行われた(今まで何度か皆さんにお知らせしていた)
20代、30代の弁護士が中心の市民メディア「PEOPLE’SPRESS」
(HPは「News for the People in Japan」 【NPJ】)
を正式に立ち上げ、その設立記者会見をしました
赤旗報道にあるように、「平和、基本的人権にストレートに偏ったメディア」(笑)です。
皆様、ぜひご覧いただき、お気に入りに入れて頂ければ幸いです。
http://www.news-pj.net/
文字が多いなど改善点はたくさんあるので、今後検討していきたいと思っています。
報道をいくつかご紹介させて頂きます。
「市民の視点で情報発信」 弁護士有志らサイト開設
http://www.47news.jp/CN/200711/CN2007112601000431.html
2007/11/26 18:25 【共同通信】
市民に役立つ情報発信
弁護士らホームページ開設
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-11-27/2007112715_02_0.html
2007年11月27日(火)「しんぶん赤旗」
弁護士らが「インターネット市民メディア」創刊 2007/11/27
http://www.news.janjan.jp/media/0711/0711276312/1.php JANJAN
保坂展人議員のブログから、団藤重光先生が鳩山法務大臣に宛てた手紙を転載させていただきます。
日本刑事法の重鎮にして元最高裁判事のこの声を拝聴せずにどうする、鳩山センセイ。
(以下転載はじめ)
なぜ死刑は廃止されねばならないのか ―――死刑問題勉強会のために
日本は古来、死刑を行わない時代が長かったことを多くの国民は知っているでしょうか。昔の記録に残っています。平安時代、嵯峨天皇の810年に藤原仲成が誅されてから、「保元の乱」の勃発で1156年に再開されるまで、実に300年以上にわたって死刑は停止されていました。
そもそも唐から輸入された「律令」を手本に大宝・養老律令を制定したとき、日本では法定刑を中国よりも一、二等軽くしたものが多いのです。818年には盗犯について死刑を事実上廃止しています。
遣唐使を廃止し、日本ならではの文化が栄えた「国風文化」の時代、日本には死刑がありませんでした。日本の文化は古来、伝統的に死刑を好まず、忌まわしいものとして避けてきました。
これを、トマス・モアの時代の15,6世紀のイギリスと比べると、違いは顕著です。あちらでは無数の窃盗犯が片端から死刑になっていたわけですから、大変な差があります。
『保元物語』に「国に死罪を行えば、海内に謀反の者絶ず」とあるように、こうした死刑の長期停止には、殺生を戒め、慈悲を本旨とする仏教の影響もあるのかもしれません。
これは明治以後に西洋近代法学が輸入される直前までの、伝統的な日本文化全体に通じます。私は陽明学に深く影響を受けましたが、江戸時代初期の陽明学者、熊沢蕃山は
「君子の治世は殺を用いず」「仁君は法を乱すを慎みたまえ」「人を殺すに政をもってするは、刃より甚だし。刃は限りあり。不正の殺は限りなし」と語っています。
死刑、つまり人間が人間を殺す刑罰は、法の名のもとに決して存在してはならない、という共通認識が、21世紀の今日、国際的に合意されています。EUを初め国連加盟国の大半が死刑を廃止し、フランスは2007年、憲法によって死刑を禁止しました。
なぜ死刑はあってはならないのか?
それは要するに人間性に反するからです。生命は天の与えたもの、人間が決して作り出すことができないもので、これを人が奪うことは決して許されません。
死刑は大変にむごたらしい、きわめて残酷な刑罰です。
さらに学術的な二つの理由で、死刑はあってはなりません。
ひとつは裁く側の人間の可謬性です。人間に完全ということはない、必ず誤りを犯すのが人間であり、その人間が、取り返しのつかない死という刑罰を科すことはできません。
可謬性の問題は私の友人でナチス・ドイツの惨禍に遭われたユダヤ系科学哲学者、サー・カール・ライムント・ポパー博士が第二次世界大戦後に、詳細に論じています。
いまひとつは、裁かれる側の人間の主体性、すなわち悔悟による変化、矯正の可能性です。重い罪を犯した人が、悔い改めて聖人になる例も歴史上数多く存在しています。
そうした可能性をすべて奪う死刑は、あってはなりません。この「主体性理論」については、私の「死刑廃止論」第六版(有斐閣)で詳細に論じました。
日本国憲法の下で死刑が合憲とされた最高裁判例は、戦争犯罪者に死刑を宣告する極東軍事裁判がまだ進行している昭和23年に、苦渋の元で下されたものでありました。
人が人を殺すことを容認することは、憲法を含め、あらゆる法律以前にあってはならないものです。これは各国別に異なる憲法によって定められるような水準の問題ではなく、もっと深い人間性に根ざすものです。
一国の憲法の制度がどうあろうとも、つまり日本で言うならば欽定憲法の時代でさえも、死刑は本来あってはならなかったものだと私は思います。旧憲法時代、私はまだ死刑廃止論には到達していませんでしたので、残念ながらそのような主張をしませんでした。しかし、大日本帝国憲法の下でも、死刑は廃止されねばならないものだったと思います。
昨今、民心を寒からしめるような残虐な犯罪の報道を多く目にしますが、「汝、殺すなかれ」は個別の法を超えた絶対的な命題です。
これを国が率先してこそ、民心も安定します。EUを初めとする死刑廃止国の現状すべてが、その成功の証拠となっています。
以上から、死刑は絶対的に廃止されなければならないものであると結論します。
2007年11月8日 94歳の誕生日に 団藤重光
上記文書は、11月9日、鳩山法務大臣との「死刑執行に関する勉強会」に筆者が準備の上、持参したものである。もし表記に瑕疵があれば、すべては筆者の責任である。(談・校正、聞き取り文責:伊東 乾)
(転載終わり)
『情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)』より引用転載させていただく。
■■引用開始■■
光事件については,マスコミを通じ,またインターネット上で,弁護団に対する様々な非難が加えられています。その中には,正確な事実を踏まえないか,誤解に基づくものがあります。
そこで,皆さんに正確な理解をしていただくため,弁護団に対して寄せられた疑問に答えたいと思います。
1 経過について
Q 光事件の経過について教えて下さい。
A 平成11年4月14日に,山口県光市で発生した事件です。
検察官の起訴事実によれば,被告人は(18歳)は,被害者を強姦しようと計画し,被害者宅に排水検査を装って入り,暴行を加えたものの,被害者が大声を出して激しく抵抗したため,殺害して姦淫しようと決産し,被害者の首を両手で強く絞めつけて窒息死させたうえ,姦淫した,その際,激しく泣き続ける被害児(生後11ヶ月)に激昂して殺害を決意し,被害児を床に叩きつけるなどした上り首に紐を巻き,その両端を強く引っ張って絞めつけて窒息死させた,とされています。
Q 裁判ほどのように進んできましたか。
A 被告人は平成11年4月18日に逮捕され,平成11年6月 4日,山口家裁での少年審判で逆送決定を受けました。この事件の裁判は,平成11年6月11日に起訴され,第1審(山口地裁平成12年3月22日),第2審(広島高裁平成14年3月14日)は,この起訴事実を前提に,いずれも無期懲役を言い渡しました。しかしこれに対して検察官から上告がなされ,最高裁判所は,平成18年6月20日,原判決を破棄し,広島高裁に差し戻しました。
現在,広島高裁でこの事件の審理が行われています。平成19年5月24日に第1回公判がはじまり,6月26日から28日,7月24日から26日に公判が連続開廷され,9月18日から20日までさらに開かれる予定です。
2 差戻審の弁護団の主張についての疑問
Q 差戻審の第1回の公判での弁護団の意見が反響をよんでいますが,弁護団の差戻審での主張はどのようなものですか。
A これは典型的な少年事件であり,著しく精神的に未発達な被告人がもたらした偶発的な事件です。
検察官が主張するような,強姦目的で被害者宅に上がり込んで襲ったものではありません。
被害者ののど仏付近を両親指で力一杯押さえつけて首を絞めつけるといったこともなく,被害児を頭上から逆さまにして床にたたきつけたこともありません。法医鑑定の結果からは,このような事実は認められません。
Q 何が起きたのですか。
A 被告人は,入社したばかりなのに,この日も会社を休んでしまいました。そして,仕事をしているふりをしようと戸別訪問をすることにしました。被告人は,会社のネーム入りの作業着を着て,さらに会社名まで名乗って各室を訪問していました。
被害者から,部屋に招き入れられ,言葉をかけられたことから,亡くした母親に甘える思いで被害者に背後からそっと抱きついたところ,被害者から,まったく予想外の激しい抵抗を受けてパニック状態に陥り,被害者を制止しようとして誤って被害者を死に至らしめました。被告人は,被害者が大声をあげたので声を封じるため口に片手を当てたとしていますが,その手がずれて首を圧迫したとすると,それは遺体に実際に残された指による蒼白帯と合致します。
また,被害児に対しては,泣きやませようとして懸命にあやすものの泣きやませることができずに困惑し,パニック状態から,遂に首に紐を緩く巻いて喋々結びにし,その結果,被害児を死に至らしめました。したがって,被害者や被害児に対する殺意は存在しません。
Q どうしてこのような事件が起きたのですか。
A そのためには,被告人について理解する必要があります。被告人の父親は,母親を虐待し,それを止めようとする被告人も暴行を受けていました。母子は父親の虐待をおそれ,それから逃れながら共依存関係にありました。そして母親が自殺をしたため,被告人は母親の死を十分に受け止めきれないまま取り残され,精神的外傷を負ったまま,その精神的発達は母親の自殺の時点に停留しています。
Q これまでの1審・2審で主張していなかった事実を差戻審で主張することは許されるのですか。
A 法律上許されています。
Q 検察官の起訴事実や旧裁判所の認定は,どんな証拠に基づいているのですか。
A 検察官の起訴事実や旧裁判所の認定を支えている主な証拠は,被告人の自白調書です。しかし,この被告人の自由は,取調官による作為や強要に基づくものばかりであり,同時に少年特有の取調官への迎合といった顕著な事情が垣間見れらるものであります。したがって,被告人の自白調書は,真実を語っておらず,信用性がありません。
Q 弁護団の主張は,どんな証拠に基づいているのですか。
A 弁護団の主張は,主なものだけ挙げると,
① 被害者の死体の痕跡についての法医鑑定です。原審が認定したような態様で両手で絞殺されたのではなく,現在被告人が述べるような態様で右逆手で首を押さえつけられた状態で死に至ったという内容です。
② 被害児の死体の痕跡についての法医鑑定です。被告人が被害児を後頭部から床に叩きつけたという行為は無く,紐で首を力一杯絞めたという事実も無かったという内容です。
③ 被告人について実施した犯罪心理鑑定と精神鑑定です。これらは,私たち弁護人が就任する前,すでに実施されていた少年鑑別所の鑑別結果や家裁調査官の調査報告書とも合致するものです。犯罪心理鑑定によれば,本件は被告人の生育過程による未成熟な人格が引き起こした母胎回帰ストーリーとして理解するのが自然であり,原審が認定した性暴力ストーリーでは理解できません。また,精神鑑定によれば,被告人の本件当時の精神状態は,母親が自殺した12歳のときのまま発達していないということです。
④ 差戻し前の被告人の公判供述です。被告人は差戻し前には公訴事実を争っていないとされていますが,実際にはこれら公判供述においては,強姦相手の物色や殺意を否認するような供述もあります。
Q 被告人の新供述は弁護団のストーリーを言わされているという見方がありますが。
A そうではありません。
被告人が記憶に基づいて供述しています。公判段階の供述や家裁の社会記録の中にも,今回の供述の片鱗が見受けられます。
Q 被告人は,強姦目的で,被害者のアパートをうろうろしたのですか。
A そうではありません。
被告人は“入社したばかりなのに,この日も会社を休んでしまいました。そして人恋しさと寂しさをまぎらわすために,仕事をしているふりをしようと戸別訪問をすることにしたのです。
被告人は,会社のネーム入りの作業着を着て,さらに会社名まで名乗って各室を訪問していました。検察官は,相手を物色していたと主張していますが,父親が被害者の夫と同じ会社に勤めていた関係で,現場は,被告人も住む社宅の別棟の一室であり,友人との待ち合わせまでのわずかな時間の出来事ですから,そのような場所で計画的に強姦をしようとしたはずがありません。
Q 被害者宅に至るまでの戸別訪問では被告人に対しどのような対応がなされたのでしょうが。
A それまでの戸別訪問では,ぎこちない被告人の行動に対してまともに取り合った人はいませんでした。被害者が初めて取り合ってくれたのです。
Q 被害者はどのような対応をされたのですか。
A 被害児を抱いた被害者は,被告人が作業をしに来たと誤解し,被告人を優しく中に入れてくれました。この予想外の対応に,被告人は引っ込みがつかなくなってしまいました。
Q 被告人は,強姦目的で,被害者宅に上がり込んだのですか。
A 今述べましたように,そうではありません。
Q 被害者は被告人に殺意をもって殺されたのですか。
A そうではありません。
被告人は殺意をもっていませんでした。
被告人は,優しく応対してくれた被害者に,失った実母の面影を感じ,甘えさせてほしい,優しくしてほしいという気持から,後ろからそっと抱きつきました。ところが,被害者から予想外に激しい抵抗を受け,被告人は,なんとかしなければと必死に押さえつけているうちに,意図せずに右手で被害者の首を押さえてしまい,被害者を窒息死させてしまったものです。
Q 被害者は,被告人に強姦されたのですか。
A そうではありません。
たしかに被害者を死姦したことに争いはありません。
しかし,被害者の死は,被告人にとって,母親の死の状況を思い起こさせるものでした。母親の死のときには何もできなかった被告人は,母親を何とか復活させたいと考えました。そのために被告人が考えついた儀式が性交だったのです。
精神的に未発達な被告人は,「性交することで再生する」と思いこんでいました。当初の鑑別結果でも,同様の記述が見られます。
Q 弁護団は,見ず知らずの女性を殺害強姦したことを「死者を復活させる儀式」と主張していますか。
A すでに述べましたとおり,被告人には殺意も強姦の意図もありませんでした。
被害者に対する死姦は,被告人にとっては,母親の復活への儀式であったのです。
Q 「母胎回帰」「母子一体」ということを言われていますが,どんなことですか。
A 当時の被告人の人格は著しく幼い状態でした。被告人は,幼い頃から父親の激しい暴力にさらされてきました。被告人は,その恐怖の中で,精神的に抑圧されて育ち,母親と依存状態(一体感)を強めました。ところが父親の暴力は母親に対しても激しく加えられ,母親は,被告人が中学校1年生のときに首を吊って自殺しました。被告人は,母親という唯一の庇護者を失い,父親の支配に直接さらされることになり,精神的に発達する機会を失いました。
母胎回帰とか母子一体というのは,被告人が在りし日の母子依存,お母さんに甘えたい,永遠に一緒にいたい,お母さんから愛され受け入れられたいという心情をずっと維持したいという状況を意味しております。
Q 被害児は頭から思い切り床に叩き付けられているのですか。
A そのようなことはありません。
捜査機関がそのような自白調書を創作したにすぎません。法医鑑定によれば,被害児の頭部には頭蓋骨骨折等の痕跡は無く,後頭部から床に叩きつけられたという事実は否定されます。
Q 弁護団は,被害児を床にたたきつけたのは「ままごと遊び」と主張していますか。
A 弁護団が「ままごと遊び」と述べたのは,被告人の戸別訪問行為です。本件行為に先立ち,被告人は,当時勤めていた会社のネーム入り作業服を着て,さらに会社名まで名乗って各室を訪問していました。
被害者を死に至らせた行為,被害児を死に至らせた行為を「ままごと遊び」と主張したことは一度もありません。
Q 被害者を仰向けにして頚部を両手で絞めつけたのですか。
A そのようなことはしていません。
被害者の死体の痕跡に基づく法医鑑定によれば,そのような事実は否定されています。
Q 被害児は紐で何をされたのですか。
A 被害児の首に紐が2重に巻き付き,ちょうちょう結びされていたことは事実です。しかし,被告人は捜査官に言われてはじめて,被害児の首に紐が巻き付けられたことを知りました。気が動転していた被告人は,被害児の首に紐を 2重巻きした行為を記憶していません。
Q 被害児を動けないようにして紐で絞めたのですか。
A 被告人は,そのような行為をした記憶はありません。被害児の死体についての法医鑑定によれば,検察官が主張するように紐を力一杯絞めた事実は否定されます。
Q 被害児の首を紐で絞めあげたのは「謝罪のつもりのちょうちよう結び」と主張していますか。
A 被告人も弁護人も「謝罪のつもりのちょうちょう結び」とは主張していません。弁護人は,泣き悲しむ弟への兄ができるせめてもの償いの印であったのではないかと見ています。
もっとも,被告人自身は,被害児の首を紐で絞めた事実については記憶しておらず,法医鑑定によれば,力一杯に絞めた事実はありません。
3 弁護団についての疑問
Q 21名の弁護士は,どうして弁護人になったのですか。
A きっかけは様々ですが,各自が自主的に判断して参加したものです。
Q どうして21名という大弁護団になったのですか。
A 21名となった経緯は上述のとおりです。しかし,それでも決して多くはないと考えています。
上告審弁護人が事実解明の必要性を訴えたにもかかわらず,最高裁判所は,それを吟味しようともせず,検察官による上告を受け入れ破棄差戻しをしました。また,被害者遺族の厳罰を求める訴えや,それに同情する国民世論の凄まじさがこの最高裁の判断に少なからず影響を与えたことは否定できない事実でした。したがって,差戻審では,最高裁の意を受け,事実解明がなされることなく形だけの審理がなされるおそれが予想されました。
そのような中で,これまで全くなされていなかった法医鑑定,犯罪心理鑑定,精神鑑定などにより,真実を解明することは大変な作業なのです。
Q マスコミでは,21名の弁護人対被害者遺族という図式で報道されていますが,これについてどのように思いますか。
A 私たちが求めているのは,事実に基づく公正な裁判です。被害者との対立構造を煽る報道は残念です。
Q 21名の弁護人には,全国の弁護士,例えば札幌や仙台などの弁護士がいるようですが,21名の弁護人はすべて実働しているのですか。
A はい,そのとおりです。
Q どのように弁護団の費用を調達しているのですか。
A 弁護人が各自で負担しているほか,不足分は,弁護団以外の弁護士から,カンパを受けてまかなっている現状です
Q 21名の弁護士は,ボランティアですか。
A 無報酬で働くことをボランティアと言うのであれば,本件については全員ボランティアです。
Q どうしてボランティアまでして,被告人を弁護をするのですか。
A 本件事件につき十分な弁護がなされる必要性を認識し,弁護士の職責から,報酬の有無にかかわらず本件の弁護に従事すべきという考えからです。
なお,弁護士活動には幅広い分野があり,弁護士会の委員会活動はもちろんのこと,それ以外にも,弁護士が無報酬で活動する機会は限りなく多く,刑事弁護においても例外ではありませんので,本件にのみ特殊な事情ではありません。
Q 死刑廃止の運動のためにしているのですか
A 本件刑事弁護は,死刑廃止の運動のためにしているのではありません。弁護団は,本件の弁護活動において死刑廃止の主張をしたこともありません。
Q 21名の弁護人は死刑廃止論者ですか。
A そうではありません。廃止論者も存置論者もいます。また,死刑制度の問題点について国民的議論が尽くされるまでは死刑の執行を停止すべきであるという考えの弁護士もいれば,死刑の適用範囲について謙抑的であるべきという考えの弁護士もいます。
Q どうして差戻し前の弁護人は,最高裁までの7年間も,差戻審の弁護団のような主張をしなかったのですか。
A 私たちは,回答すべき立場にはありません。私たちが言えることは,これまでの裁判において審理が不十分であったということだけです。
4 被告人の態度への疑問
Q 被告人の態度が悪いといわれていますが,被告人は,差戻審前に被害者や遺族を侮辱したことがありませんでしたか。
A 通常の少年事件の場合,その少年の精神的な未成熟性を考慮して,専門的な知見に基づき処遇する中で,少年も事件に向き合い,被害者遺族や被害者に対する順罪の意識が真に根付いて,更生へと至るものなのです。
しかし,被告人の場合は,犯行当時の人格特性や精神的に未発達な状況のまま放置されており,また,更生に向けての処遇などは一切なされていません。自己の行為に直面し,自分がどういう生い立ちをし,何を課題として抱えているのか,あるいは解決していないのかを,丁寧に寄り添いながら処遇されなければならないところ,そのようなことが全くなされてはいませんでした。
したがって,被告人自身が,反省をしていても,その表現の仕方が分からないことに加えて,被害者遺族がどういう思いをしているのか相手の立場に立って考え,被害者遺族を傷つけないで自らの気持ちを表現するにはどうしたらよいのか,などの配慮を欠いていた状態であったことは否めません。
Q 被告人は本当に反省しているのですか。
A 被告人には,事実と向き合うことによって,反省の情が芽生えています。
ただ,被告人の人格レベルや精神的に未発達な状況から,被害者遺族や世間に受け入れられるまでには至っていません。
自己の行った行為を振り返り,事実に向き合って初めて反省が可能になると思われますが,被告人は,上告審の最終段階になり,初めて被告人に記録が差し入れられ,自分の行動を振り返り,事件に直面しようとしはじめたばかりなのです。それまでは,悲惨な結果から大人が考え出したストーリー,つまり検察官の起訴事実が一人歩きしており,被告人には事件を振り返り,自ら向き合うという機会が奪われていました。
そういう意味で,現在の差戻審では,被告人は事件に向き合って,事実を語らなければなりません。その上で,被告人は,逃れることのできない事実に自ら直面して,徐々にではありますが,内省が深まっていくものと思われます。
Q 被告人が,差戻審の法廷で被害者の遺族を睨んだといわれていますが,そんなことがあったのですか。
A そのような事実はありません。
Q 被告人は,死刑判決の可能性が出てきて,表面的には反省しているということを装っているだけではないでしょうか。
A そのようなことはありません。被告人はようやく事実に向き合い,反省する素地ができたのです。
5 被害者遺族について
Q 被害者遺族の方々の苦しみについては,どのように考えているのですか。
A 本件は,きわめて不幸で悲惨な事件です。被害者ご遺族の苦しみを,私たちが分かったかのようにして語ることは許されないと思います。
私たちができることは,弁護人の立場から,事実を一つ一つ解明し真相がすべて明らかにされるよう努力することです。私たちは,弁護人の役割を果たすことでしか,被害者ご遺族に向き合うことは許されないと思っています。
また,精神科医のA氏は次のように言っています。
「被害者の遺族の苦しみは大きい。殺害事件に遭遇したとき,被害者遺族は,当初はそれを認めず,次には加害者を非難して,非難しなければ被害者に顔向けができないと感じることもある。そして,自らに責任がない場合でも自らを責めてしまうこともある。しかし,裁判は終止符にはならない。被害者遺族もこれからを生きていかなければならない。そのためには,自らを責めるのではなく,生きていっていいのだということを社会全体が受け止めることが大事だ。」
6 死刑判決は当然ではないかとの疑問
Q 被告人はお母さんと幼い児童を殺してしまったのですから死刑判決は当然ではないでしょうか。
A 過去の判例によれば,本件のような事案が死刑相当となることはありませんでした。また,被告人が故意に被害者と被害児を殺害したかどうかが争点となっていますので,死刑を科す前提の事実が確定していません。
本件事件当時の被告人の成熟度,人格的問題等を十分に理解した場合,死刑判決が当然とは言えないと考えています。
7 懲戒請求への疑問
Q 本件では21名の弁護士に対して多くの懲戒請求がされていると聞きますが,弁護士が懲戒となるのはどのような場合ですか。
A 弁護士が犯罪を犯したり,弁護士の品位を失わせる非行を行ったような場合です。
Q 懲戒請求することで刑事責任を問われることはありますか。
A 懲戒処分を受けさせる目的で虚偽の懲戒請求をすると,虚偽申告罪の対象となりえます。
Q 懲戒請求することで民事上の責任を問われることはありますか。
A 通常の注意と調査をすれば懲戒請求に理由がないことが容易に分かるのに,あえてこれを行った場合には,損害賠償責任を負うことがありえます。
Q 弁護団に対する今般の懲戒請求についてどう評価していますか。
A 私たちの弁護活動は,必要かつ適切なものです。この懲戒請求で懲戒処分がなされるということは,およそ刑事弁護をしてはならないということであると確信しています。
テレビなどを通じて,タレント弁護士による「自分は10件くらい懲戒請求されているが,これをされると大変。みんなで懲戒請求してやりましょうよ。」との不用意な扇動発言や,検察官出身の弁護士らの偏った論評を鵜呑みにして,署名活動のような感覚で懲戒請求をなされた方がおられるとしたら,非常に残念なことです。
以上
■■引用終了■■
弁護団が、TVで懲戒請求を煽ったとして、橋下弁護士を訴えたことがニュースになっているが、これについて、天木直人氏が次のようなコメントをした。
(以下引用)
被害者の夫であり、父親である木村洋という若い男性に、私はこよなき共感と敬意を覚える一人である。そしてまた、これほどの残酷な犯した被告に対し、理屈にあわない論理をもって弁護する弁護団に、大いなる疑問を抱いてきた一人である。
弁護士の究極の使命は何か。それは顧客である被告の減刑の実現にあるという事かもしれないが、正義をまげてまで不当な減刑を勝ち取る事では決してないはずだ。正義の実現をゆがめてはならないはずだ。更にまた、巷間言われているように、死刑廃止論に固執する人権弁護士たちがその目的の為に裁判という場を利用して自己主張をしているとすれば到底賛成できない。因みに私は死刑容認論者である。自らの命をもって償わなければならない残忍な犯罪は確かにある。いかなる犯罪者に対しても死刑は絶対認められないという考えには、どうしても与する事はできないのだ。こう書くと必ず反発を受ける。イラク戦争に反対し護憲を唱える私は左翼と思われているが、死刑を容認し、北朝鮮の拉致問題を厳しく糾弾する私は、いわゆる左翼的な考えの人たちから批判される。対米追従を批判する私は同時にまた愛国主義者である。その意味で私は右でも左でもない。自由を何よりも重視すると言う意味でリバタリアンという事かもしれない。
(引用おわり)
天木氏の主張には常々共感を寄せてきたが、今回の発言はどうもいただけない。
いつもはマスコミ報道の虚偽性に批判的な目を向けている天木氏が、ここでは、「死刑廃止論に固執する人権弁護士たちがその目的の為に裁判という場を利用して自己主張をしている」というマスコミの論調を鵜呑みにしている。
安田弁護士が繰り返し述べているように、弁護団は死刑廃止論を裁判の場で主張したことはなく、ひたすら事実認定を争っている。記者会見の席などで、記者たちは必ず安田弁護士に対して死刑廃止論についてのコメントを求めるが、そのたびに彼は「ここはそういう主張をする場ではないから」といって退けている。
刑事裁判において、弁護人が被告人のために活動するのは当然のことである。なぜそれが「正義を曲げて不当な判決を勝ち取る」ためと決めつけられなければならないのか。
確かに、今回の弁護団の主張の中には、一般常識から言って奇矯なものも含まれているとの印象は受ける。しかし、それは被告人の精神鑑定の結果を受けてのものである。
被告人は幼少の頃から、父の母に対する日常的暴力の中で育ち、次第に母をかばうようになった。そしてその関係が母との母子相姦関係にまで発展していった。そんな中、母親が首つり自殺した現場を被告人は目撃した。そうした生い立ちから、被告の精神年齢は、犯行当時18であったにも関わらず、小学生程度で止まっている、と精神鑑定は述べた。被告が今回の事件の前に別件で事件を起こし、少年鑑別所に入っていたときの職員の記録には、被告の精神年齢は5、6歳程度と書かれていたという。
天木直人氏には、マスコミの一方的な論調を無批判に受け入れるのではなく、せめて下記のような安田弁護士の言い分にも目を通してから発言してほしかったと思う。
(今回の記事の中で、ダイナモ氏の光市 母子殺人事件 弁護団の主張についてという文章より引用させていただきました)
憲法改正のための国民投票法案が可決されたというニュースをNHKなどは朝から大々的に報じている。
参議院では、さしたる抵抗もなく、いたって平穏な採決が行われたという。
参考リンク:福島みずほのどきどき日記
今回の法案では、憲法の「改正」点が複数にわたる場合の提案方法が、各条文または各項目ごとになるのか、全体をまとめて不可分一体として提案できるのかが明確でない。
付帯決議で、「国民投票の対象・範囲について憲法審査会で検討し、適切な措置を講じるよう努める」とされているにすぎない。
このままだと、9条の改正と「環境権」やら「プライバシー権」やらの創設とがいっしょくたになって提案されるという事態も予想される。それこそ自民党の望んでいることだ。
ここは極めて重要な点だと思う。
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