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October 08, 2004

新司法試験の合格率は2割程度

 今朝の朝日新聞に、ロースクール修了者の新司法試験合格率についての政府(法務省)試案が一面トップで取り上げられている。

 初年度(06年度)の合格率は34%で、その後は2割程度で推移する見込み。現行試験の合格者は、06年度は800人、07年度は400人、08年度は200人、09年度は100人、10年度は50人という数字が載っている。

 新司法試験の合格率については、朝日の見出しでは34%という数字が大きく取り上げられているが、実際には2割の方を強調すべきだろう。

 この2割という数字自体は、ロースクールの現在の定員と合格者数を考えれば簡単に分かることで、昨年11月に70校以上認可した時点で「合格率7,8割」が不可能なことは明らかだったのだから、今頃になって議論になるのもおかしな話だ。

 現在ロースクールで学んでいる学生たち、そしてこれから入学する学生たちは、このままいけばおそらくその大半が、法曹の資格を手にすることはできない。「法務博士」の資格証などケツを拭く紙にもならない。もっとも、大学院側が、見かけ上の合格率を上げるために、試験に合格しそうにない学生をあらかじめ卒業させないということになれば、法学博士の資格すら手に入らないということになりかねないが。

 仕事を辞めてロースクールに未修者として入学した人が一番大変だ。幸いにしてまだ辞めていない人は、勤めを続けながら05年ないし06年の現行試験を目指し、それでダメなら諦めるのが現実的だろう。

 この数字を見て、なお敢えてキャリアを捨てて法科大学院に入ろうという社会人はますます減っていくことだろう。現役の学生にしても、4年制の大学法学部を出た後に、法曹になれる可能性は低いのに、さらに2年学生を続ける意味があるのかどうか、考え込むべきところだ。

 いずれにせよ、06年度以後の新司法試験は、相当な修羅場になりそうである。

 それはそれとして、近い将来、ロー制度の推進者たちは、制度設計の失敗について素直に認め、関係者全員がしかるべき責任を取った後に、もっと社会通念上相当な制度に変えていく必要がある。

法科大学院生にも狭き門 新司法試験、一発合格は34% (朝日新聞)

 今年4月に開校した法科大学院(ロースクール)の修了者を対象に06年度から実施される新司法試験で、当面の合格者数についての政府の素案が7日、明らかになった。初年度の合格者数は新試験と現行試験各800人の計1600人で、法科大学院1期生の合格率は34%とする内容だ。司法試験委員会(委員長=上谷清・元大阪高裁長官)はこの案を軸に年内に最終決定する。
 新司法試験の受験は3回まで認められ、最終的には5割が合格する見立てだが、当初の「修了者の7、8割が合格」という構想より少なく、法曹養成の中核として創設された法科大学院を修了しても、相当数が合格できないことを明示するものだ。法科大学院のあり方や入学者の動向に与える影響は大きく、議論を呼びそうだ。
 法科大学院は、現行司法試験は合格率が数%でマニュアル志向の法律家を生むとの批判から、司法制度改革の中で法曹実務家の養成機関として構想された。
 司法試験委は法曹三者ら7人で構成され、法務省に設置されている。法曹の質・量の充実を図る狙いから司法試験合格者を2010年までに3000人に大幅増員することを前提として、その段階まで合格者をどんなペースで増やすか、現行試験と新試験が併存する移行期間(5年間)の両試験の合格者割合をどうするか、などを詰めている。
 素案は法務省がまとめ、7日に同委に示した。法科大学院には法学既習者向けの2年制と、未習者向けの3年制があるが、素案は2年制修了者が新試験を受ける06年度は、新試験と現行試験の合格者を同数とした。3年制修了者の受験も始まる07年度は「新」対「現行」を4対1にして新試験を主流とし、段階的に新試験の合格枠を拡大する内容だ。
 素案と、現在の法科大学院の定員に基づく同省の試算によると、新司法試験の合格率は初年度34%(受験者2346人)、07年度22%(同7387人)、08年度20%でその後も2割程度で推移する。これらは、修了できずに新試験を受けられない学生が続出したり、法科大学院の定員減で受験者が減る可能性は考慮していないが、07年度以降は複数回の受験者も予測して計算している。
 法務省が、初年度の新試験と現行試験の合格枠を同数としたのは、(1)2年制修了者のみが受ける初年度だけ合格率が極端に上がることを避ける(2)法科大学院に行かず、現行試験を選択した学生の質は高いと判断した--などの理由からだ。
 しかし、法科大学院構想にかかわった関係者からは「法科大学院修了者からの合格を基本とすべきで、現行試験組の枠を広げすぎると、法科大学院を法曹養成の中核と位置づける理念から外れる」との異論も出そうだ。
 また、法科大学院関係者の間には「専門教育を受けた揚げ句、大半が司法試験に受からない制度では、法科大学院に優秀な学生が集まらなくなる」との懸念・不安は強く、司法試験委の今後の検討に関心が集まっている。 (10/08 09:12)

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